多くの方が見たことがあるチュッパチャプスのロゴは、ダリが作ったというのを知っていますか?ダリが作ったチュッパチャプスのロゴは、時代の変化とともに少しずつ変化しながら使われ続けています。そこでダリが作ったチュッパチャプスのロゴの特徴から、ロゴ作成におけるポイントを考えてみましょう。
1つずつのポイントを押さえながら考えていくことで、より良いロゴ作成につなげられます。
世界展開を狙ったロゴ作成
チュッパチャプスの創業者であるエンリケ・ベルナトは、世界展開を考えてロゴ作成を行いました。世界展開を考えるうえで、「ファンタジー」「現代的」「エキセントリックな世界観」を描ける画家として同じスペイン人のダリにチュッパチャプスのロゴ作成を依頼しています。
エンリケ・ベルナトが1968年に直接ダリの家を訪問し依頼をしたことで、チュッパチャプスのロゴは完成しました。
チュッパチャプスのロゴの原型は黄色い雛菊
エンリケ・ベルナトはダリの家を直接訪問してロゴ作成の依頼を行った後、2人は一緒に昼食をとることになります。そして昼食の際、ダリがナプキンに描いたものがチュッパチャプスのロゴのプロトタイプです。「Chupa Chups」の文字と「黄色い雛菊」のイラストで作られたロゴで、わずか1時間で完成しました。
ダリが1時間で完成させたチュッパチャプスのロゴは、少しずつデザインが変更されているものの、原型は変わらず60年以上も使われ続けています。
チュッパチャプスの名前に込められた意味とは?
1958年に販売が開始されたチュッパチャプスは、元々「GOL」という名称でした。「GOL」はスペイン語でゴールを意味していて、棒付きのアメを口に入れる様子をゴールに例えたことでその名前がつけられました。
その後1962年に、広告代理店から名前を「Chups」に変更するように提案されます。「Chups」はスペイン語で「吸う」を意味する「chuper」に由来している言葉です。そして名称変更の際に、ラジオCMで「Chupa Chupa Chupa Chupa Chups」と流したことで、消費者の間で「Chupa Chups」という名前が広まります。
消費者に「Chupa Chups」という名前で広がったことがきっかけで、最終的にチュッパチャプスという名称が正式採用されることになったのです。
チュッパチャプスのロゴの変化を知ろう
チュッパチャプスのロゴは、過去に何回か変更されています。
1958年~1961年に使われていたロゴは、赤の文字だけのシンプルなものでした。その後マーケティングの一環としてロゴを使うことを意識し、黄色の背景に赤と黒の文字で名称が書かれるスタイルに変化します。
ダリに依頼したチュッパチャプスのロゴが使われるようになったのは、1969年のことです。
このとき採用されたのが、雛菊をイメージした黄色い背景に、赤の文字で「Chupa Chups」と書かれているものです。1990年には、ダリのデザインにアレンジを加えて、雛菊の淵に何色かの線が加えられています。
ポップなロゴは明るく親しまれやすい
ダリが考案したチュッパチャプスのロゴの特徴は、黄色や赤などポップな色を使われているという点です。ポップな色使いをしていることで、明るく親しみやすい印象を与えています。小さな子供にも視覚的に訴えやすいポップなロゴなので、チュッパチャプスは大人から子供まで愛されているお菓子になっているという点を把握しておきましょう。
そこで実際にロゴ作成を考えていくときには、色使いによるイメージの差について考えていくことも大切です。例えばチュッパチャプスの文字の色に使われている赤は、視覚的に訴える効果が一番強い色です。赤には元気で力強い、食欲をそそられるなどの効果が期待できます。
またチュッパチャプスの背景色に使われている黄色は、明るく楽しいイメージを持たせる効果が期待できます。実際に食品関係のロゴをイメージしてみると、赤や黄色が何らかの形で使われているケースも多く見られます。ロゴを見た人にどのようなイメージを持ってほしいのか考えたうえで、色使いについて決めるようにしましょう。
時間をかければいいものが生まれるとは限らない
ロゴ作成をしようと考えている方の中には、時間をかけて検討することでより良いロゴが生まれると思っている方もいるでしょう。しかしダリが1時間で考案したチュッパチャプスのロゴが50年以上も使われていることから、時間をかけたものが長く愛されるロゴになるとは限りません。
だからといって、短い時間で適当に考えたロゴだと、何を伝えたいのかわからず印象に残らないロゴとなってしまう可能性があるので注意しましょう。実際にロゴ作成をしたい場合には、短い時間でも良いものが作れるように下準備をしっかりと行うという点です。
ダリにロゴの制作を依頼したエンリケ・ベルナトは、世界展開を考えてどのような雰囲気のロゴを作成したいか最初にテーマを決めました。同じようにテーマを決めてからロゴを考えると、方向性が定まってイメージしやすくなるかもしれません。
モチーフを考えてみよう
チュッパチャプスのロゴは、黄色い雛菊をモチーフとして作られています。ロゴを構成する要素の方向性を決めるモチーフが決まっていたら、スムーズにロゴを作りやすくなります。モチーフにはダリのように花を使うこともできますが、ロゴ作成をしたいブランドと関係のあるものから決めるのも1つの手です。
扱う商品の形を少しアレンジしてロゴに取り入れているケースも多いので、実例を参考にしながらどのようなロゴを作っていくか参考にしましょう。特に同業他社のロゴは、デザインが同じようなモチーフを採用してデザインが似てしまうこともあります。
ライバルとなる同業他社とロゴのデザインがかぶらないように、事前に確認することを忘れないようにしましょう。
プロに依頼するのも選択肢の1つ
ブランドのロゴを考えたいという場合、自社で作る場合と外部に依頼するという2つの選択肢があります。チュッパチャプスのロゴは、ダリという有名な画家に依頼して作られました。ロゴのテーマに合った作品を描いている画家に依頼することで、チュッパチャプスのイメージに合ったロゴが完成しています。
実際にロゴを外注するときに大切なのが、ロゴのイメージに合った方に依頼するという点です。デザイン事務所に依頼するなら、過去の作品例を参考にしながら、作ってほしい作品のイメージに合っているのか確認して依頼先を決めましょう。
ダリが作ったらロゴは長く愛されている
チュッパチャプスのロゴは、ダリが考案したものを原型として50年以上も使われ続けています。長く愛されるロゴには、色使いやテーマに合った人選などいくつかの秘密があげられます。実際にチュッパチャプスのロゴ作成におけるポイントに注目しながら、より良いロゴを作るためにどのような点に気を付けたらいいのか考えていきましょう。
一時的ではなく、長く愛されることを考えてロゴ作成を行うことが大切です。